漫画で見たウエディングケーキ

小学生の頃に見た少女漫画で、当時は珍しく料理を題材にしたものがありました。
子供の頃から料理好きだった私は、この漫画が大好きで、少ないお小遣いで単行本を揃えたことを覚えています。
この漫画は、料理を軸にして恋やら友人やらのトラブルを解決するという、某有名グルメ漫画の学園コメディ版という感じの作品でした。
そのエンディングは、王道少女漫画らしく、主人公の女の子とその彼氏が結婚するところで終わるのですが、そこで登場したウエディングケーキが「クロカンブッシュのピエスモンテ」なるもの。

「クロカンブッシュ」は、シュークリームを塔のように積み上げたお菓子、「ピエスモンテ」は、飾り菓子、ディスプレイ要素の高いお菓子ということです。
当時はイチゴと生クリームの食べられるウエディングケーキ自体も少なく、ほとんどがあの模造の3段になった作り物のケーキでした。
子供心に、TVなどで模造のウエディングケーキを見るたびに、「あんなに大きいのに食べられないのか……」とガッカリしたものです。

そんな食い意地の張った私ですから、食べられる上に、自分の大好きなシュークリームでできているなんて!と、大変衝撃を受けた覚えがあります。
その漫画では、最初は料理が下手だった主人公の女の子が漫画のエピソードの中でどんどん腕を上げ、最後には自分の手でクロカンブッシュを作る……というエンディングでした。
この描写がとても素敵で、いつかは自分もこんなウエディングケーキを自作したいと、心の中で強く夢見てしまいました。
そして、小学生の女子の単純な精神構造ですから、この漫画のシーンが心に焼きついてしまい、大人になるまでずっと、自分の結婚のタイミングまでこの夢を温め続けてきたほどです。
結婚の時までに教室に通って腕を磨きたいと思ってもいました。

自分の結婚のときは、色々とあって自作ケーキの夢を叶えることはできませんでしたが、まだ、シュークリームを積んで大きなケーキにしたいという欲はあって、これから何かの記念日に、機会を狙って作りたいと思っています。

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